June Bride
こんにちは。
お料理教室Table Bourgeons...の和実です。
とうとう梅雨らしい気候になってきた今日この頃ですが、一般的には6月は《June Bride》といわれるように、6月に結婚する人は幸せになれるという言い伝えがありますね。
今回調べてみみると、どうやらギリシャ神話がもとになっているようですが、ヨーロッパでは昔から春の農作業がひと段落する6月に結婚式を挙げる習慣があったようです。現実的な観点からすると、6月は気候が良いことと、7月8月のバカンスを避けるためという理由もあると思います。
とはいえ日本は梅雨時期でお天気も不安定ですし、私自身も結婚式は10月だったのですが、せっかくですので今日はフランスの結婚式事情についてコラムを書きますね。
日本でもよく話題に上がるように、フランスでは「事実婚」が多いといわれていますが、実際私の周りでは大半の方は籍をいれています。どちらかというと、周りの友人達がカトリック系の人が多いというのが理由でしょう。カトリックの方は特に、教会での挙式も大切にしています。
フランスでは、役所でのセレモニーと教会での挙式がそれぞれあります。役所でのセレモニーとは、日本で言うところの婚姻届を出す作業なのですが、市長さんの前で誓いを交わします。結婚の証人にも立ち会ってもらいますし、親族や親友なども参列し、二人を見守ります。あまり信仰のない場合は教会での挙式はせず、この役所でのセレモニーだけをして、そのあと披露宴という形を取る方もいます。
教会での挙式は、キリスト教信者には欠かせないもの。近年では日本人カップルで海外挙式なんかもありますね。ですがフランスの教会で結婚式をするには、本来は新郎新婦のどちらかが信者であることが求められたり、家族が昔から親交のある神父さんや教会にお願いするのが一般的。
私達は主人がカトリックの家系ですのでもちろん教会で挙式しましたが、信者ではない私は事前に神父さんが主宰する「新郎新婦のための勉強会」に参加ししました。夫婦になる心得や家族を築くとはどういうことか、、、という質問をカトリックの教えに導かれながら自問自答した覚えがあります。勉強会といっても、こうあるべきだという答えを求めるのではなく、夫婦が互いを想い、これからのことを二人で模索する時間を設けることを目的とするものです。
さて、教会での挙式。日本のそれと明らかに違う点は、フランスでは日本のように作りこむことはなく、あくまでも自然体。ですので、事前にバージンロードを歩く練習もなければ、会場装飾もいたってシンプル。それらをカバーするのは、歴史を感じる教会の佇まい。荘厳で、静寂な教会はそれだけで十分なのです。
そして驚くことに、会場代にいたっては基本無料です。実際には当日参列者からの御布施と、新郎新婦の家族から教会への寄付という形で気持ちの謝礼はお渡しするものの、日本での挙式代とは雲泥の差。
教会での挙式に参列してくれる方は招待客が大半ですが、近所の方が参列してくれたりもします。これは、教会は地域の皆さんのための集いの場であることの証ですね。
ミサが始まり、神父さんに促され、証書にサインをしたり、賛美歌を歌ったり。誓いのキスや指輪の交換もあります。大まかな流れは日本と同じですね。
教会は、あくまでも神の前で誓いをする場ですので、披露宴はまた別の場所です。挙式後は参列者もそれぞれ披露宴会場へ向い、移動します。週末に静かな田舎町を車が行列をなしていたら、それは近くで結婚式があったのかもしれませんよ。
披露宴も、また日本のそれとは違います。挙式後、再び披露宴会場で集合した参列者はアペリティフくらいから立食形式でスタートするのですが、その後、着席して晩餐会と続き、夜中もしくは朝方までパーティーは行われます!
花嫁は日本のようにお色直しすることはなく、挙式と同じウエディングドレスで披露宴に参加します。ガーデニングパーティーも良くあることですので、ウエディングドレスの裾や靴のヒール部分はパーティー後は泥だらけです!
披露宴はすべて自分達でカスタマイズします。パーティーのテーマはもちろんのこと、会場、ケータリング会社、装花業者選びから、案内状手配まですべてを準備しなければなりません。
さて、みんなが着席しているところにいよいよ新郎新婦が登場です。すると、日本では見慣れない現象が起こります。お客は一斉にテーブルナフキンを手に取り、頭上で振り回すのです。普段テーブルマナーに厳しいフランス人にとっては異常な行為なのですが、これは彼らの祝福の気持ちを表す行為なのです!私も初めて見たときは驚きましたが、ここは思いっきり振り回しましょう!!
厳選されたお料理はもちろんフランス料理のコース仕立て。お食事中には日本のように、お友達がスピーチしてくれたり、歌を歌ってくれたりするのもよくある光景です。
すでに長引いているディナーに追い討ちをかけるのが、最後のダンスタイムです。これはフランスの結婚式には絶対に欠かせないもの!!!
ダンスタイム開始の合図は、花嫁とパパが踊るワルツ。途中でパパが花婿に娘を委ねて、新郎新婦が踊りだすのを見届けたら、参列者も各々ダンスに加わります。いつの間にか、音楽もDJにバトンタッチで、親世代も若者も、そして頑張って夜更かししているおちびちゃんたちも一緒に混じって、パーティーは大盛り上がりです。時間はすでに12時。この後、徐々に人数が減り、お開きです。
朝方まで続いたパーティーですが、翌日にはまた親族や身近なお友達を呼んでランチに集合です。翌日のランチは自宅やセカンドハウスで行われることが多く、カジュアルスタイル。披露宴ではなかなか一人ひとりとお話できなかった新郎新婦も、ようやくこのランチでみんなと歓談しながら過ごせるのです。
そんな感じですから大体フランスの結婚式は土曜日開催で、週末は丸々どっぷりお祝い気分に浸るのです。
会場になるのは一般的には新婦側の出身地や、セカンドハウスのある田舎。場合によっては週末結婚式参列のために小旅行となるわけです。
友人の結婚式も数々参列させてもらいましたが、大体がこんな流れです。とにかく体力勝負なフランスの結婚式ですが、それぞれに個性あふれる演出が素敵で、貴族の家系であれば、先祖のお城が披露宴会場なんてこともありました!
次回は、私自身の結婚式の様子をお話したいと思いますので、お楽しみに。
レッスンは、今月は26日のみ、来月は6日のみ空席ございます。お申し込みはこちら
最後までお読みくださり、有難うございました。