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リトリート

こんにちは。

お料理教室Table Bourgeons...の和実です。


大型連休Golden Weekも終わり。最終日こそ生憎の雨でしたが全体的には快晴続きで、皆さんも気持ちの良い時間を過ごされたのではないでしょうか。


我が家は4月の終わりから子供達のバカンスが始まっていたこともあり、ドンピシャのG.W を避けて一足お先に家族旅行に出かけておりました。行先は長野県。ということで今日はプライベートのバカンス記事です。


ブログの常連様はご存じかもしれませんが、この時期は決まって長野県にお邪魔している我が家。元々は娘が参加する乗馬キャンプの送迎のためという理由だったのですが、その近くにあるキャンプ場で釣りをするというボーイズたちの楽しみも加わり、我が家のこの時期のルーティンになっています。ここ数年は私は術後療養中だった時期と重なっていたので東京でお留守番をしておりましたが、今年は久しぶりに私も参戦。


お世話になっているキャンプ場は手つかずのキャンプ場で、お風呂やシャワーが無いのはもちろんのこと、炊事場ではお湯も出ません。設備が整っていない分人が少なく、ソバージュな自然に囲まれているという点は気に入っているところ。今回は広いキャンプ場に我が家のテントのみという、言葉通りの貸し切り!自然を独り占めするというなんとも贅沢な時間を過ごしました。


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正直なところ、キャンプには乗り気ではなかった私。娘は乗馬に行きっぱなしで不在なうえ、ボーイズは釣り三昧で、私は一人時間を持て余してしまうな、、、と。ですが意を決して同行することに。理由は長男がちょっぴり寂しそうだったのと、東京に残るとただただぼーっとするだけなのは目に見えていたので、とーっても腰が重かった自分に活を入れて!でも、ネガティブな気持ちで参戦するのは自分も嫌だったので、どうせ行くならマインドチェンジしてポジティブに過ごしたい!


そこで、今回のキャンプは「リトリート」を自分のテーマに掲げました。


リトリート(retreat)とは、数日間住み慣れた土地を離れて、仕事や人間関係で疲れた体を癒す過ごし方のことで、疲弊しがちな現代社会において近年注目されています。

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日常から自分を切り離し、自然の中で心の声に目を向け、マインドフルネスな時間を過ごすことを意識して。この期間中は仕事もせず Netflixも見ず、携帯電話の使用も最低限に抑え、できるだけデジタルなものをシャットアウト。代わりに本をたくさん持参しました。


いつもは友人家族と合同で賑やかにキャンプをすることが常でしたが、今回は家族3人だけなことも相まってお食事作りにも気合が入りませんが、「リトリート」という意味ではそれくらいの気の抜けようがちょうどよい加減だったのかもしれません。


静かな湖畔で鳥のさえずりを聞きながらの屋外生活は、想像以上に自分と向き合う時間となりました。向き合うと言っても特別何か考え事をするわけではなく、次から次へとアイデアが思い浮かぶ毎に、普段自分の頭の中がどれほど常に忙しく働いているのかということを実感。無になるというとこがいかに日常では難しいのかということを体感しただけでも大きな収穫だったと思います。


一日目はボーイズも一緒に近くの笠松山へハイキング。低山ながら日ごろ運動不足の私達には大きな試練ではありましたが、道中のお地蔵様を数えながら頂上へ。


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モチベーションが低かった長男は何度も文句を言いつつも最後まで頑張って登り切りました。これも言わば成功体験。自信につながれば嬉しいな。 


翌日はキャンプ場を一人飛び出して「日本のチロル」とか「日本のマチュピチュ」との別名を持つ長野の秘境「下栗の里」へドライブ。山道を走り登りつめた先には、素晴らしい景色がありました。


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標高1100mに位置する里山には現在17戸存在するそうで、今でもそこには人々の暮らしが根付いています。地元の方のお話によると、数人いる小学生は毎朝スクールバスで下山して登校し、車を持たない高齢の方はタクシーサービスを利用して、買い出しや通院などをしているそうです。不便なこともあるけれど、毎日眺めるこの景色は何事にも代えがたい価値があると仰っていました。


標高が高くとも、ここには畑もあります。山ですから動物に作物を食い荒らされないために色々対策をしているわけですが、思わず私が「大変ですね」と声をかけると、「人間が勝手に彼等動物の敷地にやってきて、住まわせてもらっているのだから仕方がないことだ」と仰った言葉が印象に残っています。厳しい自然のなかで野生動物との共存。彼等への敬意を忘れずに暮らす人々の生活がそこにはあり、人間ファーストになりがちな都会暮らしの自分には、心打たれるものがありました。


ランチは村の中にあるお食事処「いっ幅」さんへ。天ぷらと炊き込みご飯が美味しい、山菜中心の滋味深い定食を頂きました。




おかみが自ら山で採取する数々の見慣れない野草や、普段は捨てがちな「ねぎ坊主」も天ぷらに!今で言うところの「サステナブル」で「ヴィーガン」なお料理を、秘境の地で頂く貴重な経験でした。


さて、大したことはしていませんが、キャンプ飯にも少し触れておきましょう。せっかくなら景色を楽しみながらお料理したいので、キッチンもベストポジションにセッティング!



基本的にはバーベキューでお肉と野菜を焼くだけ。おつまみ的に作ったのはタコとシイタケとソラマメのアヒージョ。残ったオリーブオイルは、バーベキューでグリルした食パンにつけて。付け合わせとして作ったのはタブレ(クスクスサラダ)。ランチには息子からリクエストが入っていたジェノベーゼパスタを。せっかくならと東京から自作のピストゥソースを持参して、風味豊かで鮮やかなジェノベーゼ。その場でパルメザンチーズを削ることで、さらに美味しくなります。ちなみにレッスンで度々登場するマイクロプレーンは持参し忘れたので、チーズはピーラーで。



簡単なものばかりですが、シンプルに素材の味を味わうのも、ある意味では味覚を研ぎ澄ます「リトリート」飯かもしれませんね。いづれにせよロケーションが何よりのスパイスです。大自然の中で家族で焚火を囲んで食べたら、全部美味しいに決まってる!


キャンプで私が楽しみにしているのは「温泉」。今回のようにキャンプサイトにお風呂やシャワーの設備がなくとも、近隣に温泉施設があることが多いのが日本のいいところ。ゆっくり温泉に浸かって日頃の疲れを解し、自分を労わる。これぞリトリート!


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この時期長野の夜は、ひんやりどころかまだまだ寒いので、もっぱら焚火です。炎が絶えないように時には敷地内の枝を探しては薪をくべ、揺らめく炎に心癒されます。就寝時間が早いボーイズたちをよそに、私は焚火にあたりながら一人読書をして夜を過ごしました。読書もまた、本のストーリーの世界に入り込むことで、現実と切り離すことができます。多分一番手っ取り早い「リトリート」の手段なのではないかしら。


はじめはモチベーションが低かったキャンプも、そんなこんなで心身ともにリフレッシュし、充実したリトリート旅行となりました。昨今はリトリートをテーマに掲げるホテルや施設も随分増えてきました。中には座禅を組んだり写経を書いたりして自分を見つめ直すプログラムがあったり。もちろん閑静なホテルでのリトリートトリップも素敵ですが、実はもっと気軽に「リトリート」はできるもの。すべては自分の気の持ちよう次第なのです。


皆さんももし疲れを感じたら、日常から一旦離れて自然の中に身を置いて、ゆったりとした自分時間を過ごしてみてはいかがでしょう?



最後に5月のお料理紹介です。

本日メインを試作。只今来日中のお義父さんにも試食に付き合ってもらい、彼からもGoサインを頂いたので、これで決まり!そのお料理はこちら。



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鶏むね肉のトンナートソースです。簡単に言えば「鶏ハム」を作るのですが、スパイスを加えて南仏の香り漂う一皿になりました。これから夏にかけてがおすすめの一皿です。白ワインと合わせてお召し上がりいただきます。お楽しみに!


5月レッスンのお申込みはこちら

皆様のご参加お待ちしております!


今日も最後までお読みいただき、有難うございました。

ではまた!






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