プロヴァンスを食す
- Kazumi DAVANCENS
- 14 時間前
- 読了時間: 7分
こんにちは。
お料理教室Table Bourgeons...の和実です。
今日のブログは、前回綴り始めた5月のレッスンリポートの続編です。
早くも真夏のような気温の日もあるこの時期からは、食の好みも変わります。バターでコクを出すような重いテイストよりもオリーブオイルやハーブで清涼感のあるライトなお料理を体が求めているのを感じます。そんな気分に寄り添ってくれる南仏料理に合わせて、テーブルコーデもワインもプロヴァンスで揃えました。

フランスワインというと、ボルドーやブルゴーニュが有名どころですが、実はフランスの中ではプロヴァンス地方が最も古い歴史がある産地なのだそう。基本的にお求めやすい価格なのも嬉しいところです。今回レッスンでお出ししているワインも、デイリー使い出来るコスパの良いものですが、太陽をいっぱい浴びた果実とミネラル感を含んだ味わいは十分にお楽しみいただけるもの。キンキンに冷やしてお出ししています。この地方はロゼワインのメッカでもあるので、白の代わりにロゼを合わせるのもおすすめです。
今月は時間がかかる仕込みが重なっておりますが、何一つ難しいものはありません。その代わり時間配分を計画しないと効率が悪く、場合によってはお食事の時間に間に合わない!なんてこともあり得ます。私も限られた時間内でデモンストレーションが終わるのか、ハラハラしたものです。なのでしっかりシュミレーションして時間配分してくださいね。
前菜の「ピサラディエール」は、ニース風玉ねぎのタルト。もちろん日本語メニューの名の通り「玉ねぎ」が主役なのですが、もう一つ重要な食材があります。この地域の昔の言語で「塩漬け魚」を意味する「peis salat」が語源になっているこのお料理には、アンチョビが必要不可欠。キャラメリゼされた玉ねぎの甘さを引き締めてくれるアンチョビがいい塩梅なのです。クラシックなピサラディエールはこちら。

そして、今回アレンジでしらすをトッピングしたバージョンがこちら。しらすが加わることでさらに食べ応えもありますし、白色が加わることで見た目にも華やかになるところも気に入っています。
昔働いていたパリのレストランでは、一口サイズにカットしたピサラディエールをアミューズブッシュとしてお出ししていました。もう20年も前の話。懐かしい!
最後まで悩んだ生地はパン生地に。パン作りはハードルが高いと感じていらっしゃる方も多いと思いますが、生徒さんもびっくり。指を立てた手でただかき混ぜるだけ!捏ねません。それに成型する時も綿棒いらず。手だけできれいに伸ばせるのも気軽にできていいでしょう?お子様と一緒に作るのも楽しいと思います。
メインはプロバンス風鶏ハム、トンナートソース。
正直プライベートでは適当に作っている鶏ハム、、、ですが生徒さんが失敗せずに火入れできるようなレシピを作らなければいけません。何度も試作し、最終的には的確なお湯の量と鶏肉のバランスを見出しました。もちろん他にも成型のコツなどはあるものの、とりあえずお湯の量さえ守ってもらえれば、誰でもしっとりジューシーな鶏ハムに出会えるレシピなのです。慣れてくると、ココットの何分目までお湯を入れたらよいかも見えてくるはず。早速復習してくださった生徒さんからは、写真付きのレポートが届きました。鶏もしっとり仕上がって、ご家族皆さん喜んでくださったそうです!

レッスンではフレンチでご紹介していますが、実はアジアンなアレンジをするほうが多い我が家の食卓事情。アジアン仕上げの時はハーブを使わずプレーンで鶏ハムをを作ります。和風では紫蘇やオニオンスライスを添えて、みじん切りにしたニラ入り生姜醤油で。お子様はポン酢だけでも十分。はたまたよだれ鶏的なソースをかけて中華風に。

涎鶏のソースを参考までに記載しておきますね。
にんにくすりおろし、生姜すりおろし、長ネギのみじん切り、ごま、砂糖、豆板醤、花椒(ホアジャオ)をボウルにいれる。
鍋で熱々に熱したサラダ油を①にジュっとかける。
しょうゆ、黒酢、塩を加えて、味を整える。
スライスした鶏ハムの上からソースをかけて、フライドオニオン、カシューナッツを砕いたもの、パクチーをトッピングして食べてみて!なかなか本格的な涎鶏になりますよ。
分量は【しょうゆ:油:酢=2:2:1】で作ってみてください。味を見ながら酸味を調整したり、砂糖で甘味を加えたりして、好みの味に近づけてくださいね。ちなみにこのソースはとっても万能で、冷ややっこや焼きなすにかけても美味しいし、餃子やチヂミのタレにしても。お試しあれ!
さて、話はアジアンからフレンチへ戻します。今回ご紹介しているトンナートソースは、もともとはイタリアン。白いお肉の薄切り(鶏ハム、子牛など)に合わせることが一般的なこのソースは、マヨネーズ代わりに使える万能ソースなのです。例えば半熟卵にかけてもいいし、ボイルやソテーで火入れしたアスパラに合わせるのも良し、マグロのカルパッチョにかけるのもアリです!酸味も効いて夏にピッタリですので、是非いろんなシーンでご活用下さいませ。
デザートはパイナップル。パイナップルスピリットと名付けたデザートは、チップス、グラニテ、キャラメリゼと、3種の調理方法を駆使しながらパイナップルを丸ごと楽しんでもらいました。とはいえ、一番メインのパーツはグラニテ。冷凍庫さえあればできるひんやりスイーツのグラニテは、私の冷凍庫では約3時間で完成。もちろん温度設定などにもよるのであくまでも目安ではありますが、お家で気軽にできるので、時間を逆算しながら仕込んでくださいね。
スーパーフードと言われているチアシードを使用したのも、独特のテクスチャーが加わり面白い仕上がりになりました。チアシードは、加工していない食材本来の状態で食するという意味合いの「ホールフード」のひとつ。オメガ3や食物繊維、タンパク質が豊富で、少量で満腹感が感じられたり腸内環境を整えたり、美肌に良いという話。ですがなんでもバランスは大切で、どんな食材も摂りすぎは禁物。今回のレシピでも、少量を水分でふやかし、さらには食感や色味のアクセントとしてポイント使いするにとどめています。皆さんもバランス、気を付けてくださいね!
そうそう。今回チアシードをふやかすのに使用したココナッツミルク。使い切れずに残った時におすすめなのが以前ご紹介したマンゴーソルベ。とっても簡単にできるのに子供達も大喜びするおやつです。《動画&レシピ》をご用意しておりますので、ご興味ありましたら合わせてご活用下さいね。

マンゴーソルベの《動画&レシピ》はこちら。
写真のマンゴーソルベは、レシピにパッションフルーツをさらに加えてみました。相性はもちろんばっちり!!パッションを加える場合は、最後に加えてね!
さて、残すところあと一回となりました5月の対面レッスン。最終回お席ご用意可能です。もしお時間ありましたら是非いらして下さいね。
27日の5月レッスンお申込みはこちら
30日(金曜日)は先日のブログで発表しました通り、急遽リクエストレッスンを行います。過去メニューをご紹介できる貴重な機会ですので、お時間ありましたら是非!
30日リクエストレッスンの詳細、お申込みはこちら
そして、最後になりましたが6月レッスンのスケジュールを発表いたします。試作は相変わらずこれからですが、前菜にはサーモンのリエット、デザートにはバナナを使った冷菓のパルフェグラッセを検討しております。メインは決まり次第ブログにて発表いたしますね。
6月レッスン
17,18,20,24,25、27日
10:30~15:00
6月レッスンの詳細、お申込みはこちら
【お詫び】
先日レッスンでのサブスク動画撮影中、機材がヒートアップしすぎてしまって撮影を中断せざるを得ない状況になってしまいました、、、次回のレッスンで残り部分を撮影して動画編集いたしますので、サブスクメンバーの皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、もうしばらくお時間下さいませ。宜しくお願いいたします。
今日も最後までお読みいただき、有難うございました。
ではまた!
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