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フランス紀行 vol.2


ボンジュール!

お料理教室Table Bourgeons...の和実です。


前回のブログより始まりましたフランス紀行。

お読みいただいた方々からは、一緒に旅行気分を味わっていただけているという嬉しいお声も!


今日はvol.2として、ちょっとグルメな一日を綴ります。


ロワールでは各々に過ごす時間が多いと愚痴っておりましたが、何もしないことにしびれをきらしてついに、私は一人車を走らせお出かけすることにしました。片道1時間半もかけてわざわざ向かったのは、やはりレストランでした。偶然インスタで見つけてからずっと気になっていたレストランで、行く機会を狙っていたところ。軽く家族を誘いましたが誰一人として興味を示さずしょんぼり。。ですがここはめげずに一人で決行!


目的地はパリから1時間ちょっとでいけるEssonneにある《 le doyenné 》。ホテル&レストランです。ここの特筆すべき点は菜園が敷地内にあり、自家栽培の採れたて野菜を調理してくれるということ。だからコースも野菜が中心に考えられています。


周りにはなーんにもないような方田舎なのに、わざわざ皆が食べにくる今話題のお店です。入口の門が開くその瞬間から、すでにテンションが上がってワクワクドキドキしちゃう。



大きな敷地は、その昔動物園だったのだそう。きれいに整備されていて、どこを切り取っても素敵な絵になるところが素晴らしい。



お食事をするところはというと、ガラス張りの温室をリノベーションした開放的なスペースで、庭との一体感も素晴らしすぎる空間です!田舎風で昔ながらの雰囲気は、全体的に肩の力が抜けているのに、一つ一つのテーブルウェアや設えはこだわりのセンスが光っていて、そのバランスがとっても心地よい。



予約時間より少し前に着いたので、まずは先に菜園を見学させてもらうことにしました。そこではありとあらゆる野菜が育てられていて、珍しい品種もたくさん。面白かったのは、らしくないお姉さんが耳にはヘッドフォンつけながらミニスカートに長靴履いて畑を耕してるもんだから、日本でなら違和感感じるんだろうけれど、ここではそんなお姉さんがすんなり空間に馴染んでいました。



畑をお散歩途中に、偶然にも日本人らしき女性二人組がいらしたのでお声掛けさせて頂き、ご挨拶するという場面もありました。こういう時ってついつい勝手に親近感を感じるものですよね。


散歩を終えいよいよお食事時間になり、そろそろ席に向かおうとするタイミングで、先程ご挨拶した日本人女性が声を掛けて下さり、なんと一人で来た私に同席をご提案して下さったのです。彼女達のご厚意に甘え、ランチをご一緒させて頂くことにしました。


彼女達は御姉妹で、お姉さんはカリフォルニアから、妹さんは東京からいらしていて、フランスで落ち合ったのだそう。久しぶりの姉妹の時間をお邪魔してしまったわけですが、とっても気さくな方たちですぐに意気投合。お姉さんはフランス人のご主人と子育て真っ最中という共通点もあり、はたまた妹さんも食やワイン、インテリアなどがお好きだというのは明らかで、初対面なのに話は全く尽きず。美味しくきれいなお料理を前にあれこれ談義したり情報交換したり。それはそれは楽しい時間を過ごしました。一期一会とはまさにこのことだなあとしみじみ感じました。


お料理は2タイプのフルコースが用意されていましたが、折角なのでボリュームあるほうをチョイス!

といっても、先程も述べたようにお野菜中心のコース仕立てなので、全皿食べた後にお腹は満たされますが、胃がもたれるようなことは全くなく体に優しいメニューでした。




まずはオードブルから順を追って、写真と共にご紹介しますね。



丸いのはブリオッシュ生地の中にブーダンノワールの詰め物が入っています。ブーダンノワールとは豚の血で作るソーセージで、好き嫌いが分かれる食材ですが、スパイスを駆使していてほんのり甘みもあって臭みは一切無し。もちろん新鮮な血がなければ作れません。揚げ春巻きは中にズッキーニのピュレが入っています。

驚いたのは別皿に盛られているラード。豚の脂で少し赤身がのったものが提供されている日もあるものの、私達のお皿は見事に真っ白の脂100%。それをサーブするなんて何て強気なんだと思ったのですが、口に含んだ途端、この脂の価値観が一気に変わりました。

脂なのに脂あぶらしてなくて、その味といったらもう!しっかりした芳醇な味と香りが口いっぱいに広がります。



二皿目のオードブルは、ズッキーニの花とエビ。

頭はフライに、身は生のまま花の中に詰められていました。


そして3皿目のオードブル。これがここの夏のシグネチャー的一皿だったのではないかしら。生野菜をとことんシンプルに味わう一皿で、野菜の上にはちょこんとハーブや花をのせたり、クルミペーストを付けただけ。新鮮だからシャキッポリッとした食感はもちろんのこと、一つ一つの野菜の味が濃厚なこと!


うっかり写真を撮るのを忘れてしまったのですが、このバターとともに出されるここのパンがまたまたとっても美味しくて。パンを食べることをメインの目的ににしてもいいほどに美味しい。それもそのはず、このレストランのシェフの一人はもともとパン職人。レストランに入る前からパンの香ばしい香りがそこら中に漂っていたので期待はしていましたが、期待値を遥かに超えてきました。ごつごつした昔ながらのハードな風貌ですが中はもっちもち!




前菜として提供されたのはトマトの3皿。

ひとつは完熟トマトのカルパッチョ。上にのっているのはメキシコのエストラゴンで爽やかな香り。フレンチタラゴンとは姿も風味も別物。同時に出された冷製のとうもろこしのスープにもトマトをON。


実はこれ、正確にはトマトではなくナス科の植物で「tomatillo / トマティーヨ」という野菜。ほおずきのように薄皮で覆われていますが、中はまるでトマトのよう。サルサソースに必須の野菜だそうです。”どぅるっ”としたところだけを使っていたのが面白い。甘いとうもろこしと、酸味の対比が心地よかったです。


そしてお次のトマトの3皿目はマグロ。「unilatérale」 というフランス語を今回初めて知ったのですが、片面だけを火入れする技法のことを表す言葉で、まさにこのマグロは片面だけがグリルされておりました。




その上にはトマトのセミドライ。水分多めのトマトがセミドライにすることで味が凝縮され、と同時に適度にジューシーさも残されていて、マグロとの相性も抜群でした。トップの緑は大豆の葉っぱ。


メインは子羊。バーベキューで火入れされているのですが、もちろん火入れはばっちりで柔らかい!ちょこんと盛られたピュレは「ティアン」のピュレ。シンプルに盛られた子羊とは別皿で付け合わせが2種。両方サラダですが、一皿は温サラダ。マグロのコンフィで作られたソースがこっくりと野菜に絡まって、とっても美味しかった温サラダ。一皿はキャベツときゅうりの生サラダでイメージとしてはコールスローのような感じ。



デザートは2種。

一口食べたらきゅうりが全面に来るのですが、実は下に青りんごの千切りとレモンバーベナで香り付けしたヨーグルトが隠れていて爽やかなグラニテでした。器も可愛い。



もう一つはシューアイス。

いちじくの葉のアイスと、確かフルーツのコンポートが入ってたなあ。なんだったっけ。ブルーベリーだったような、、



最後にお茶菓子としてマドレーヌとぶどう。

帰りの運転を考えてコーヒーにしようかとも思いつつ、菜園の雰囲気に酔いしれてハーブティーをお願いしました。



全てのお料理は写真からも伝わるように、とにかくシンプル。でも、着飾らない料理だからこその美しさがそこにはあり、素材を知り尽くしている彼らの強みがありました。


お料理もさることながら、インテリアもとーっても素敵だった le doyenné。食後のコーヒーや食前酒を、サンルームや暖炉リビング、テラスなどに移動していただくことも可能です。



ゆっくりと流れる時間に身を任せて過ごした美味しい一日でした。帰省の序盤ではありますが、この日が今回の帰省のハイライトになる予感!


ちなみに、フランスではワイン1~2杯程度なら飲酒運転にはなりません。今回は一人で遠出という事もあり、アルコールは飲まないと決めて出発した私でしたが、意志弱し。同席させてもらってみんなと一緒に乾杯しちゃいました!ワインは自然派ワインのラインナップ。私はあまり詳しくないのですが、同席させていただいた妹さんは自然派ワインに通な方で、なかなかのセレクトに歓喜されていました。



ブログにまとめながら写真を見返しては、また余韻に浸っている私。

皆さんも、パリに飽きたらちょっとその先まで足を延ばしてみませんか?


今日も最後までお読みいただき、有難うございました。

次回のフランス紀行もお楽しみに!





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