フランスジャーナル vol.5

ボンジュール。

お料理教室Table Bourgeons...の和実です。

お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、先日日本に戻りました。まだ時差ボケが残る毎日ですが、東京で少しづつ日常に慣らしているところ。体は日本ではありますがフランスでの記憶を辿りながら、フランスジャーナルを引き続きお届けしたいと思います。

vol.5はAngers (アンジェ) から。

ロワールの田舎の家から車で２時間走ったところにあるのがAngers。自分で気軽に移動できる範囲内に友人が住んでいるなんて本当にラッキーな私。昨年に続き今年も友人宅に転がり込み、暫し家族と離れてのフリータイムです。

日中はひとり街ぶらして、夕方仕事終わりの友人と合流してレストランに行ったり、街をサイクリングしたり。仕事終わりといっても日が長い夏のフランスは、21時前まで明るくいので十分にアクティブに遊ぶことも可能。アンジェは中心こそお店も充実していますが、小都市なので少し離れると自然がいっぱいで、サイクリングや川遊びが気軽にできる町なのです。

この時期しか訪れることのできない場所があると聞き、早速自転車で向かってみることに。中心地から僅か６㎞ほどしか離れていない場所にある Saint-Aubin島（サントーバン島）。2本の川で囲まれたその島は雨量の多い秋冬は川が洪水し、島も水浸しなのだそう。それでもまた春になると植物が芽吹き、牛たちが放牧され、その自然を私達も期間限定で楽しむのです。

面白いことにこの島にかかる橋はなく、交通手段は一か所の渡し舟のみ。自転車も一緒に乗り込むことが出来る渡し舟にいざ乗り込むと、なんと人力で動かす仕組みだったのです。両岸にロープが張られているのですが、そのロープを引っ張って動かします。基本的にはスタッフさんが一人でも動かせるのでしょうけれど、乗り合うお客も一緒に手伝いみんなで引っ張りました。ぐるりと島を散策した後は、帰路もまたまた渡し舟を動かして反対岸へ。なんでもないことなのですけれど、みんなで引っ張ったというほのぼのした経験が、とってもいい思い出として残っています。

夜は少し車を走らせ、小さな村 Savennières (サヴニエール）へ。この村の名前を聞いたことがある方はきっとワイン通な方なのでは？シュナンブランのみを使用した白ワインの産地です。少し小高い位置にある村は石畳のかわいらしい雰囲気。また機会があればゆっくりお散歩したり、ワインカーヴをめぐるもの良いかもしれませんが、今回は気になったレストランへ直行しました。

伺ったレストランはLe Chenin。教会の目の前でとってもわかりやすい場所にあります。若きシェフが働くお店で、お店の雰囲気も肩ひじ張らずに楽しめるカジュアルダイニング。席から教会もよく見えて、時刻を知らせる鐘の音も心地良い。本当に小さい村で人通りもない中、レストランのお客の入りは悪くない！美味しいお店は少々辺鄙なところだったとしても、snsを通して情報はいきわたりお客は付くこのご時世。私もこういった地方で頑張るシェフたちのお店を見つけると、ついつい応援したくなります。

地元農家から仕入れる採れたての野菜にこだわっている彼ら。フレキシブルに途中で食材が変わることもありました。突き出しはスズキの煮凝りとパプリカとフロマージュフレのペースト。お花のようなスライスはおもしろズッキーニのピクルス。突き出しがとっても美味しかったので、この後のお料理も間違いないなと確信！前菜はズッキーニのお花のフリット＆カポナータ。メインはマグロのミキュイ＆茄子のムニエル。トマトのエスプーマがソース代わりに敷いてありました。デザートにはブラックベリーのシガー。お花のアガスタ―シュで作ったクリームが中に詰められています。ほんのりお花のラベンダー色でした。お料理のお供には、もちろん地元の白ワインで乾杯！フランスでは、車を運転する際もワイン１杯まで飲んでもokなのですよ。さすがワイン大国のフランス。

どのお料理も素材を大切にしていて、それぞれに調理法を変え丁寧に作って頂いたのが良く分かります。食べ応えは十分ありつつ、それでいて食べた後も重くならないのがなんとも健康的で、もちろん胃もたれもせず。今の時代に合ったフレンチだなと思いました。

ちょっと一足伸ばして遠足気分も味わえた、美味しいガールズディナーでした。アンジェついでに、この辺りのもう一つの街についても少し触れておきましょう。

とある日は、娘を連れてSaumur(ソミュール)へやってきました。ソミュールもまた、白ワインの産地として有名ですが、それと同じくらい人気なものがあります。それはCADRE NOIRというフランス国立馬術学校。国立というところがおフランス。学校施設ではありますが、高等技術を披露してくれるショーを見ることも出来るのです。私たちは乗馬好きの娘に見せたくて行きましたが、馬術に詳しくなくても感動するはず。普通ならしないであろう動きを、馬が人間の合図に合わせてするのです。まるで馬が踊っているかのようでした。ショー以外にも馬房見学や上級者向け講座などもありますので、ご興味がありましたら是非！

昨年のAngersでの様子が気になる方は、こちらも併せてご覧くださいね！

さて、お休みしておりましたレッスンもいよいよ再開に向けて準備を始めております。メインは調整中ですが、前菜にはトマトのスープ、デザートにはクレームオズーをご用意。簡単に作れるものばかりですので、楽しみにしていてくださいね。

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8月のサブスクもvol.1ではラタトゥイユを、vol.2ではズッキーニの花のファルシをご紹介しています。ズッキーニの花は、先ほどご紹介したレストランでも前菜で注文しましたように、私の大好きな夏の食材！日本では入手困難ですので、サブスクでは他のお野菜での代用方法もご紹介しておりますので、こちらも併せてご覧くださいね！準備中のvol.3では、簡単にできるデザートをご紹介いたしますのでお楽しみに。

今日も最後までお読みいただき、有難うございました。

では、また。