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一件落着   

こんにちは。

お料理教室Table Bourgeons...の和実です。


前回のブログ記事では、近況報告と題して私事を綴らせていただきました。

温かいメッセージが届いたり、お祝いにお花を贈って下さったりと、皆様のお心遣いに感謝しております。


記事でも記載しておりましたように、手術で取り除いた部分の病理検査をしておりましたが、遂に結果が出ましたので皆様にもご報告させていただきます。


検査の結果、すべての細胞において乳管からの浸潤は発見されなかったとの結果が出て、正式に私の乳がんは「非浸潤性乳がん」であったと診断されました。これはがんが最初に発生する乳管・小葉にまだとどまっている状態だという事を意味するとともに、他の臓器などへの転移はほぼないどいうこと。よく耳にする癌の進行具合を表現する「ステージ」も、私の場合0だったと診断されました。


医師的にはこの結果は予想通りだったようですが、結果次第では抗がん剤治療やホルモン治療などを始めなければならないという可能性もあったため、自分の中ではまだ完全には気を緩められてはいなかったというのが本音。だって、ぬか喜びして後でがっかりするのはつらいでしょう?


ようやく本当の意味で、病気を克服したと言えるようになりました。

これにて一件落着!!




今日は、病気と子供の関係について触れてみたいと思います。


私が癌宣告を受けたあと、子供達には嘘はつかずに本当のことを伝えようと決めました。夫婦共に同じ意見でした。当初は私自身病気に対する知識も浅かったですから、子供の前で不安定になることもあり得ましたし、普段通りにしているつもりでも子供達は敏感で異変に気付くだろうとも思いました。検査や手術の準備で通院の頻度が増してきたタイミングで、子供達に打ち明けることにしました。


私自身が病気の事実を受け入れる期間も設け、宣告を受けてからワンクッション置いたある日、家族会議を開きました。今でも鮮明に覚えています。今日からバカンスという金曜日の夜、「話があるからアペリティフをしよう」と子供達を集めました。バカンスに浮かれている子供達を目の前にして、いざ話をしようと口を開いたら、声は上ずり目からは涙がぽろぽろ出てきてしまって、自分がイメージしていたようなクールな感じでは話せませんでした。言葉では「手術したら大丈夫」などと言うものの、ただ事ではない雰囲気に子供達はそれはそれは不安になったことでしょう。

12歳の娘はすぐに「ママ死んじゃうの?」と口にしました。正直で素直な意見だったとおもいます。実はフランスの義祖母が乳がんで亡くなっているのですが、娘はその話をすぐに思い出したようです。それに対し8歳の息子は、話そっちのけで「ママ、テレビつけてもいい?」ですって。真面目に話を聞いていないなと判断し、まだ8歳には無理かなーなんてその時は思いました。ですが実はその時、彼はどのように自分の感情を表現したらいいのか分からず、正直な気持ちを伝えるのを恥ずかしく感じたそうです。彼のその時の行動は、精一杯の照れ隠しだったのだと、後に娘経由で知りました。

もちろん彼にとっても衝撃は大きかったのは間違いありませんが、8歳にはまだ早かったのかななんて一瞬でも思ってしまった自分が恥ずかしい。実際には癌を理解するどころか、私への気遣いをも十二分に出来るまでに立派に成長していたのですから。そんな彼はその後も私に気遣い、病気の話は私ではなく主人に色々尋ねていたようです。「どうしてママが癌になったの?」とかね。


お世話になった慶応義塾大学病院では、癌患者を親にもつ子供を対象としたワークショップを定期的に行っています。タイミングが合わずにグループセッションには参加できなかったのですが、看護師さんが我が子に特別時間を設けてくれました。分かりやすく癌のお話をして下さったり、手術室の様子のビデオを見せてくれたり。子供が抱いている素朴な疑問にもこたえてくれたようです。

子供によっては親の病気は自分のせいなのではないかと、自分を責めてしまうこともあるようで、「誰のせいでもないんだよ」ということも、このセッションで子供に伝えてくれたりもします。

幸い私は生死に関わる病状ではありませんでしたから、大層すぎるのではないかと躊躇しましたが、担当看護師は「病状に関わらず、家族が癌になることは子供にとって一大事なことに変わりない。」と仰って、快く対応して下さいました。

コロナ禍の影響もあって、通院に子供を連れていくことがありませんでしたから、私がお世話になる医療スタッフや、入院生活を送ることになる病院を子供達に見せる良い機会でしたし、第三者を介すことで、彼らの不安を取っ払う機会にもなったと信じています。

患者だけでなく家族のフォローにも目を向けてくれる医療体制があることに感動しました。


こうして病気を家族に公表してからは、子供もチーム一丸となってサポートしてくれました。自立心も養われたことでしょう。言うまでもなく特に入院中は家事のお手伝いをはじめ、学校の送迎も姉弟で時間を調整しながら自分たちだけで行き来したりと、それはそれは頼もしいものでした。


病気になった原因は、医師からは特にはっきりした言及はありませんでした。一般的な要因とされる禁煙や肥満、運動不足などの諸々にも私は特に当てはまらなかったし、どうやら遺伝でもなさそう。そこでよく周りに言われたのが、ストレスが溜まっていたのではないか、疲れすぎていたのではないかということ。

はっきり言って、自分の好きなことをお仕事にさせてもらっているし、思い返してもストレスや疲れを抱え込んでいたとは言えないというのが正直なところ。でもそれはただ単に私が鈍感なのか、はたまた自分でも気づかぬうちに強がっていただけなのかもしれません。


今回の入院は、私がいなくても家の中が回ることを知るいいきっかけとなりました。なんだか自分の存在価値が下がったような気がして悔しい気持ちもあることはありますが、ここは考え方を少し変えてみようと思ってます。良く言えば家族に頼り、悪く言えば家族を利用して、ストレスや疲労を軽減させる作戦です。


大病を患うと人生観が変わるとよく言います。

私もそうかもしれません。長いと思っている人生実はそうではない事実、今を大切にと本心から思う気持ち、自分を大切にする事などなど。ありきたりのフレーズですが、結局のところ自分が本気でそう思わないと行動に移せないものです。今回の件が自分のプラスになるように、行動してみようと思います。


お教室の今後について。

毎年恒例の子供の夏の大型バカンスもあることから、9月までは定期レッスンは引き続きお休みとさせていただきます。

それまでは引き続き焼き菓子製作を行いながら、来月からは過去のメニューから抜擢したセレクトレッスンを開催したいと思っています。メニューは皆さんに特におすすめしたいものや定番ものを中心に企画予定。最近お教室に通い始めた方はもちろんのこと、過去にご受講いただいたけれど復習したいという方も大歓迎です。


セレクトレッスンに関しましては、次回のブログでお知らせいたしますね。

お楽しみに。


今日も最後までお読み下さり、有難うございました。






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